mtk13465003's diary

素敵な七十代を楽しく生きるために!

ベッド派か布団派かは健康度で違う

こんなお題が出されていたような気がするので、書いてみる。
ベッドを利用していたのは、心も体も元気で、二階の寝室まで駆け足で上がれる頃、50代ぐらいまで。布団の上げ下ろしが面倒で、横になったらすぐ眠れるように。
でもそこを過ぎると階段もだんだんゆっくりになり、足元にたたんだ掛け布団も掛けるよりふくらはぎの下に置く方が気持ちが良い。どんどん動きが鈍くなり、そのうちに狭心症の発作が起きるようになり、それも間隔が短くなり発作が長くなり、バイパス手術ということになり入院。
退院して帰ってくると、2階のベッドから一階の畳の部屋にマットレスと布団を移動させて座り心地良い低いベッドにしつらえてくれてあった。夫の手際の良さにはいつも感心し、感謝している。しばらくは寝たり起きたり状態で過ごそうと思っていたが、1週間もしたらこれではいけないと思うようになった。
理由は二つあった。一つは左手左足を含む左半身が重く感じて良く眠れないのだ。まるで戦国武将が左半分だけ鎧を着て寝ているような感じなのだ。左側にある心臓に血管をつないだり、弁を替えたりしたのだから左側に違和感を感じるのはやむを得ないとは思いながらも、心配になり、インターネットでバイパス手術後の記録を調べてみた。すると私と同じように感じている元患者さんに出合ったのでほっとした。
二つ目は、病室の夢ばかりみるのだ。ICUの個室を出て、循環器の一般病棟の病室へ戻ると、そこはこの病院内で一番素敵な病室だろうと思うくらいのラッキーな環境だった。窓の下には駿府城公園のお堀と石垣が続き、公園内の様子も手に取るように見える。隣には裁判所の建物があり、その隣には私学の女子高があり、秋の学園祭を前に演劇部の練習風景が見える。目を上げるとすそ野を長くしく富士山が朝昼晩と色彩を替えゆったりと見える。女子高生たちの演劇も、望遠鏡で見ているわけではないから、うっすらと影絵のように見えるだけだが、演技者になったり、観客になったりしながら空想してみるのが何とも言えず楽しかった。そんな夢を繰り返し見るのだ。
私は自分の健康を自分で取り戻さなければこのまま寝たきりになってしまうのではないかと不安になった。そこで寝たり起きたりをやめて、少し大変でも昼間はしっかり体をおこして、出来るだけ手足を使おうと思い、簡易ベッドを片付けてもらった。夫は心配しながらも、折りたためるマットレスと布団を押し入れにしまい、出し入れができるようにしてくれた。
一寸重いものを持ったり、歩きすぎたりすると手足にこぐらがえりが起こり、その痛みをとるのに何分もさすっていなければならなかったが、それでも布団の上げ下ろしや、ウォーカーに5,6分乗ったり、階段をこっそりゆっくり歩いたりしているうちにこぐらがえりの回数も減ってきた。手足に筋肉がついたとは到底思えないが、やっていることがどんどん楽にできるようになった。それと同時に戦国武将の鎧もあまり気にならなくなった。今では二階のベッドに戻ろうとは少しも思わない。むしろ朝晩布団をひいたりたたんだりするのが、生活にメリハリがついて生きている喜びを感じる。
ベッド派か布団派かは好みではなくて、人生の時々における必要度だと思う。