mtk13465003's diary

素敵な七十代を楽しく生きるために!

子供の心に残る絵本

今週のお題特別編「素敵な絵本」
毎晩、娘が私の枕元へ持ってくる本は決まっていました。2冊抱えて来るのです。「替わりばんこにしようね。今日はどっちを読む?」
娘が好きな本「ごんぎつね」と「もぐらとズボン」はどちらも結構長編だったので、本職の一仕事と家事労働が終わって布団に入ると一冊が限度でした。
「ごんぎつね」は、ゴンが兵十に撃たれる所までたどり着かなければ終わることはできませんでしたが、「もぐらとズボン」は、くもさんを抜かすと「糸ができないよ。」と言われてしまうし、エビガ二さんを抜かすと「ズボンができないよ。」と言われてしまって、ごまかしはできません。子供は、絵本に登場する動物の順序までしっかり聞き取っているのだと感心したものでした。
娘が小学校3年生の頃だったと思いますが、二人で駿府城公園の周りを自転車で走っていた時のことです。池の水に土手の桜が影を写し、土手の斜面は真っ赤に染まっていました。彼岸花曼珠沙華の花)が満開だったのです。
その時娘は言ったのです。「お母さん、ごんぎつねだね。」と。
娘は、青い空と白い天守閣の見えるあぜ道に、真っ赤に咲く彼岸花を踏みしめて進む兵十のおっかあのお葬式を見つめるゴンになっていたのです。「そうだね・・・」と言うしかありませんでした。
3歳か4歳の時、私が眠気と戦いながら読み聞かせていた絵本の情景を、成長した今でも思い描くことができたのです。幼児期の読み聞かせが、どんなに大切かを、我が子を通して実感した瞬間でした。