mtk13465003's diary

素敵な七十代を楽しく生きるために!

痛み

浪江町の大川小学校では、教師がいたにもかかわらず子供たちの避難誘導が遅れて、津波に飲まれて亡くなった生徒の親たちが、人災であるという理由で損害賠償を求めて裁判を起こしました。
泥にまみれて拾い出されたたくさんのランドセルが、ずらりと並ぶ様の何と痛ましいことでしょうか。このランドセルを背負っていた子供たちは一人も救われること無く、津波瓦礫に押し流されてしまったのです。親たちの悲痛な叫びが日本中の親の心に届かないはずはありません。皆針で刺されるような痛みを感じているのです。わが身に置き換え苦しんでいるのです。少しでも、少しでもその悲しみを分かち合えるものならと。
でも、訴える相手は何処にいるのでしょうか。
何としても子供たちを守らなければと、どんなに踏ん張ってみても想定外の津波に勝てるはずもありません。取り返しのつかない大きな判断ミスを犯してしまったという何千何万倍にも増した責任の重さと戦いながらも、一人でも助けなければとあがき苦しみながら瓦礫の下に沈んでいった教師たちが訴えられる相手なのです。
学校の裏山に一本でも避難通路があったなら、学校や地域住民、自治体に津波による防災意識がもう少しあったなら、先生方がもう少し頭を柔軟にして、避難の方法を試す時間があったのでは、とか悔やまれることはたくさんあります。それらが生かされてこそ未来が見えてくるのでしょう。
裁判がどのようであれ、私にはこの痛みを秤にかけることはできません。あまりにも悲しすぎます。二度とこのような悲劇を生まないようにと、全国津々浦々で防災対策が進んでいることはせめてもの救いです。