mtk13465003's diary

素敵な七十代を楽しく生きるために!

「はだしのゲン」が教えるもの

原爆の悲惨さを描いた中沢啓治さんの漫画「はだしのゲン」を巡って問題が起きています。市教委が小中学校に「はだしのゲン」の閲覧を制限するように通達?お願いを出したというのです。その理由は、表現がリアル過ぎて子供によってはショックが大きすぎるというのです。文部省もこの市教委の考え方に賛成しているようなコメントを出していました。
図書部に所属し、図書室を管理してきた者にとって、毎年新刊図書を選び図書を充実させ、子供たちが喜んで図書室に通うように心がけて来た事には2点あります。一つは子供たちが沢山読んだ証拠である、手垢にまみれ多くの子供たちの名前が記録された図書カードが差し込まれた本を修理し、修理が効かない時は買い替えること、二つ目は子供に読ませたい本を新刊図書に加えること、この二点でした。
はだしのゲン」が子供たちに広く読まれていたのは、漫画だからというだけではありません。原爆に対する興味、関心が高いからで、もちろん今までに読んだどんな漫画よりも大きなショックを受けた子供もいるでしょう。でも大きなショックを受けるからこそ、二度とこんなこわいことがあってはならないと子供心にも強く思うことでしょう。それは、荒唐無稽な、夢物語の漫画と違って現実の問題として子供が捉えるからです。誰に教え込まれたわけでもないのに、現実の問題として強く子供の心に刻まれる。これが教育でなくて何でしょう。教育の根本を抑えなければならない文部省や市教委の猛省を促したい気持ちです。